ベイシアIS伊勢崎店

秋も深まった2023年10月29日(日)、ベイシアIS伊勢崎店が最後の営業を終了した。

 

付近には東武鉄道の新伊勢崎駅、南には伊勢崎市役所がある伊勢崎市の街なか、伊勢崎市中央町に衣食住を兼ね備えた総合スーパー型店舗、ベイシアIS伊勢崎店があった。伊勢崎市はベイシアの前身、「いせや」の創業の地で、この付近に「いせや伊勢崎店」が1959年にオープン。1989年4月26日に現建物にて「いせやIS伊勢崎店」をオープンさせた。

 

1997年に「いせや」から「ベイシア」に名称変更。ベイシアは各地に郊外型大型店舗を展開するなか、ベイシアIS伊勢崎店は伊勢崎市の中心街で賑わいを生み出してきた。しかし、建物の老朽化が進み、秋も深まった2023年10月29日(日)17時をもって、閉店することとなった。

 

ベイシアIS伊勢崎店の正面入口。15時過ぎにはすでに閉店セレモニーの準備が進められていた。

 

ベイシア正面入口を入ってすぐのコスメコーナー。既に商品棚は空であった。

 

正面入口横には銘店コーナーが。東京風月堂などおなじみの銘店。ベイシアIS伊勢崎店は、様々な需要に応える伊勢崎市のまさに街の顔であったに違いない。

 

どこで見ても、何度見ても悲しい気持ちになる閉店のお知らせ。

 

売場は4階まであった模様だが、すでに4階は閉鎖されていた。カルチャー講座などをおこなっていたようだ。

 

広い店内にわずかに残った商品。3階はカインズが入居し、最後の営業を行っていた。

 

2階衣料品売り場もほとんどの商品が捌けていた。黒いジャケットがA体B体1着ずつ売れ残っていた。ガランとした売り場を懐かしそうに見て回る買い物客の姿があった。

 

1階食品売り場も、ほぼ全ての商品が売り切れ、フリーザーにはシートが被せられていた。

 

何も買えないのか...!?売場には冷凍食品や保存食品、調味料などがわずかに残っていた。無事に残っていた「S&Bゆず」を3瓶購入。最後に何も買えないのは寂しいからね。

 

屋上までつながるエスカレーターと吹き抜けを見上げる。中心街の大型店として圧巻な光景であった。

 

店内に掲示されていた「いせや」の写真。

 

同、創業15周年を迎えた「いせや」の写真。この頃はまさに伊勢崎市のこの地が商業の中心だったのであろうか。

 

店内に設けられたメッセージ箱には100を超えるメッセージが寄せられたという。「街の中心部」「スーパーマーケットいえデパート」買い物客の想いが交錯する。

 

16時25分より、ベイシアIS伊勢崎店正面入口で閉店セレモニーが執り行われた。画像は挨拶するベイシア代表取締役社長相木孝仁氏。今まで営業できたことに感謝の気持ちを述べるとともに、「なんとかこの創業の地で再び営業できないか社内あげて検討している」と力強く語ると、大勢の買い物客からは大きな拍手が巻き起こった。

 

ベイシアカルチャー講座担当挨拶、従業員によるベイシアに寄せられたメッセージ紹介の後に、ベイシアIS伊勢崎店の店長井上敏典氏より挨拶があった。

「ベイシアIS伊勢崎店のISには3つの意味があります。1つ、ISESAKIとISEYAの頭文字のIS、2つ、I(愛)がs(咲いた)のIS、3つ、ISEYA ISLAND(いせや アイランド)のIS。」

途中で言葉に詰まりながらも、最後まで地域に支えられてきたことに感謝の言葉を口にしていた。

 

そして、ベイシアの「誓い」を従業員で復唱し、最後に集まった買い物客に対して一礼。ベイシアIS伊勢崎店がここに幕を閉じるときが来た。買い物客からは、まさに声を揃えて「ベイシアありがとう!ベイシアありがとう!」と感謝の歓声。多くの市民に愛されたベイシアIS伊勢崎店の有終の美。

 

閉店セレモニーは100人近くの買い物客が見守っていた。セレモニー終了後も多くの買い物客がその余韻に浸っていた。

 

従業員の退出とともに掲げられた感謝の横断幕。ベイシアIS伊勢崎店、34年間こころよりありがとう。

 

上記横断幕をバックに記念撮影する買い物の姿もあった。いつまでも、伊勢崎市にあった”デパート”の記念になるであろう。

 

寒風が吹き荒れる中、まだ多くの買い物客がベイシアIS伊勢崎店の正面入り口の前でその余韻に浸っていた。そんな買い物客を気遣ってか、店長が再び姿を現し、

「今まで本当に、本当にありがとうございました。これで、本当に閉店いたします。どうか、くれぐれも帰り道お気をつけくださいませ。」

と、残った買い物客に挨拶をしていた。

 

そして、店長自らが入り口の扉を閉める。本当に多くに市民に愛されたベイシアIS伊勢崎店、ここに営業を終了した。