ダイエー山形店

 

 

ダイエー山形店は、山形駅前から徒歩3分、山交ビルのB1F~4Fまでを売り場とする駅前大型店でした。開店は昭和47年6月15日、以来山形駅前の大型店として、十字屋山形店や山形ビブレなどどともに、駅前商業の中心として営業してきました。山交バスのバスターミナルを併設し、バス待ちの客、また街に買い物に来た市民に親しまれてきました。しかし、ダイエーが産業再生機構によって再建されるのを機に、ダイエーの経営立て直し戦略として、東北地方のダイエーは仙台店を残して全て撤退ということになりました。駅前の大型店として親しまれてきたダイエー山形店も残念ながら2005年11月20日をもって閉店ということになりました。

 

2005年11月20日、時計は17:30を回り、最後の営業を続けるダイエー山形店。

 

この時間になっても訪れる買い物客の足は衰えない。入り口前のバス停に仙台からと思われる高速バスが到着すると、降りてきた乗客がダイエー山形店へと足を運んでいた。店内では最後最後のご奉仕と声が鳴り渡り、値下げ対象外とされた商品も値引き販売されていた。

 

飼い犬を連れて散歩に来ていた人も、「今日で終わりなんだね。」と寂しそうに店内を見つめていた。閉店時刻の18:00が近づくと、「当店は、本日午後6時をもちまして、閉店させていただきます。33年間にわたるご愛顧、まことにありがとうございました。どうぞ閉店まで、ごゆっくりお買い物をお楽しみください。」と店内放送が流れていた。2~4Fフロアは、すでにほとんどの商品が売りつくされていた。

 

閉店時刻の18:00をまわり、山交ビル内のダイエーフロアの各シャッターが閉じられ、最後に残ったフロアにダイエー山形店の従業員が集まった。最後まで買い物をしていた市民のほとんど、本当に多くの買い物客がそのままフロアに残り、ダイエー山形店の最後を見届けようとしていた。

 

全フロアの営業が終了し、ダイエー山形店店長の挨拶となった。「長年にわたるご愛顧ありがとうございました。」と時折言葉を詰まらせながらも、最後に集まった市民/従業員に向かってお詫びと感謝の言葉を述べていた。そして「ダイエー再建のおりには、再びこの山形にニューダイエーとして出店できますように、励んでまいります。」と締めくくった。

 

閉店の挨拶終了とともに、最後のシャッターが降り始めた。集まった大勢の市民からは、本当に大きな、割れんばかりの拍手が送られ、ダイエー山形店は33年の歴史に幕を閉じた。こんなにたくさんの市民に愛されながら、なぜ閉店に至ったのか。改めて考えさせられる光景であった。