ダイエー大宮店

 

長年、大宮市からさいたま市大宮区の中心街を見つめてきたダイエー大宮店。その直営売り場が2025年1月31日をもって営業を終了した。

 

黄昏のダイエー大宮店を北側から見上げる。ダイエーとマルイの袖看板。店舗開業時、ともに業界をリードしてきた両雄がDOMビルを、大宮を北関東屈指の商業の地に導いた。

 

地上階ダイエー大宮店入口。ダイエーフロアは直営は地階のみで、地上階はダイエーのテナントフロアとなっている。

 

ダイエーフロアにあるDOM専門店街は営業継続する旨の案内板。

 

ダイエーは営業開始が9:00のため、朝方地上階入口が閉鎖されている間は、こちらの地階へ続く階段から出入りするようだ。

 

地階の案内図。オレンジ部分がダイエーだが、マクドナルドやサイゼリアなども営業している。

 

ダイエー大宮店地階入口。ここを通ってダイエーに向かう買い物客は多くはない。

 

ダイエー店内にある閉店のご挨拶と最終売り尽くしのチラシ。この閉店のご挨拶の掲示はダイエー大宮店閉店発表から設置されているが、この日はダイエー食品売場入口に堂々と掲示されていた。

 

店内柱にあるダイエーロゴマーク。被せたような感じなので、裏には旧ロゴマークがあるのかないのか。

 

営業最終日。サービスカウンターは事実上閉鎖されていた。1週間前にはここでダイエーの商品券を購入したのだが。

 

日用品売場も「売り尽くし」の垂れ幕のもと、商品が減っていた。残った商品をフロアを回って見定め、購入していく買い物客の姿もあった。レジは食品レジに統一されており、大きな枕を食品コーナーまで持っていく姿も。

 

食品コーナーは空になった棚やフリーザーが半分を占めていた。

 

17時。閉店2時間前。ダイエー大宮店に来店する買い物客の客足は衰えない。次々とエスカレーターから買い物かごをもってダイエー大宮店に向かう買い物客の姿。ダイエー大宮店でのお買い物もこれが最後。

 

「お客様の声 大切にします」

 

売場のメインマーク。多くの買い物客が思い出に、このダイエーロゴを写真に収めていた。

 

18時になって、だんだんと客足が落ち着いてきた。それでも、売場では「いらっしゃいませー!」という大きな掛け声。お惣菜お弁当。現品限り作り立て! 最後のご奉仕として案内されていた。

 

そして19時(19:06)をもって、ダイエー大宮店は営業を終了。館内放送が流れた。「ダイエー大宮店は営業を終了いたしました」

最後の挨拶をするべく、待機しているダイエー大宮店店長。お立ち台はなんと商品搬入ケース!?

 

19:15。従業員も揃い、ダイエー大宮店店長の挨拶が開始される。壇上にあがって深々と礼をし、挨拶が始まる。

 

みなさんこんばんは。

本日は営業最終日最終の時間までみなさんご来店ご利用くださいまして本当にありがとうございます。
心より感謝申し上げ上げます。

ダイエー大宮店は東北新幹線開業に3ヶ月遅れること1982年の9月28日にオープンいたしました。
当時は、食品、日用品、化粧品、レディース衣料、メンズ衣料、インテリア、電気、文具玩具といった品ぞろえでスタートいたしました。

マルイさんとDOM専門店のみなさんと一緒に、地下3階地上7階の複合総合ショッピングセンターとして、当時ではまだ数が多くなかったショッピングセンターとしてオープンいたしました。
それ以降、いくつかの改装を踏まえまして、我々のダイエーといたしましては食品に特化する形で、食品スーパーとして、どんどん変化して、たくさんのテナントを誘致して現在にいたっております。

その間にいろいろ環境の変化がございまして、ダイエーを含め、特に2020年の新型コロナのウイルス感染によってマスクの需要が非常に高まりまして、売場からマスクがなくなったことがありました。
翌年SNSのデマで紙製品が非常に需要が高まり、ティッシュペーパーやトイレットペーパー、キッチンペーパーに至るまで様々な紙製品が売場から無くなる事態がおこりました。
直近では昨年、令和のコメ騒動と言われるお米の供給の数量が足りず、新米が高くなり非常に高騰して、売場からもときどき無くなったりしました。
そういうなかで最近も、まだ原材料の高騰であったり、人件費の上昇であったり、円安効果であったり、様々な商品が値段があがってきている状況でございます。

ただそのなかで我々としては、企業理念である「いいものをどんどん安く」というこころがけで、皆さんと一緒に歩んでまいりましたが、このたび大変残念ながらダイエー大宮店といたしましては営業を終了することになりました。

ダイエーの営業終了をみなさんにご案内した際に、たくさんのお客様からあたたかいメッセージをいただきました。
「ダイエーが好きなのに無くなってしまってとっても残念です」というお言葉や、「クイック便、いつも利用させていただきました」「駅から非常に近くて便利でした」「いつも利用させていただきましたありがとうございます」というお声をたくさんいただきました。
本当にありがたく思っております。
大変感謝いたしております。

我々はそういうお声に少しでも応えながらがんばってまいりましたが、このたび営業終了するにあたりまして少しでもみなさんにお返ししたいという心構えで取り組んでまいりました。
ダイエー大宮店は42年ほど営業させていただきまして、大宮の皆様と一緒に歩んでまいりまいた。
大変、本当に残念だと思っておりますが、このたび営業終了いたします。

最後にダイエー大宮店営業終了にあたりまして、全従業員を代表いたしまして感謝を申し上げます。
そしてダイエー、大宮の皆さまの最後に、ダイエーと大宮の皆さまに、感謝と、健康と、ご多幸とお祈りしつつ、最後のご挨拶とさせていただきます。

本当にありがとうございました。
ありがとうございました。

 

店長挨拶が終わると、残った買い物客から割れんばかりの拍手が送られた。ここにダイエー大宮店、42年の本当に永い営業に終止符。いつも東北新幹線の車窓から見ていたダイエーが、、、

 

上りエスカレーター前にはダイエー大宮店の従業員のみなさんが声を揃えて「ありがとうございました」と。私も「今までありがとうございました」と返してしまった。1人1人のダイエーのみなさんが、心のこもったお見送りを

 


 

ダイエー大宮店は、大宮西口DOMショッピングセンター2核のうちの1核、丸井大宮店とともに1982年9月にオープンしました。同年6月には東北新幹線の大宮暫定開業で沸き立つ大宮市(現さいたま市)。活気に沸き立っている中でのD(ダイエー)O(大宮)M(マルイ)のオープンでした。ダイエー大宮店(DOMのダイエー側)は2007年4月3日に改装を実施し、地階と1階がダイエー直営のまま、2階と3階にはファッション商業施設「OPA」が出店。なおこのときのOPAは同年1月のダイエー子会社十字屋(元百貨店業)の吸収合併により、十字屋の子会社だったOPAがダイエーの完全子会社化した時期でもありました。また、4階と5階には埼玉県初となる東急ハンズが入りました。しかし、OPAは2017年1月29日に閉店。ダイエー大宮店の直営売り場は現在では地階のみとなり、上層階フロアはDOM専門店街としてテナント化しています。

地階のダイエー直営売場、つまり最後に残ったダイエー大宮店の売場もイオン転換が決定し、ダイエー大宮店は2025年1月31日で42年の歴史に終止符を打つことになりました。

 

大宮駅新幹線ホームからもおなじみの光景だったマルイとダイエーの並列表記。開店した1982年は両社とも業界/業態をリードする存在であり、トップ伸長の勢いであった。その勢いの象徴ともいえるだろう。ダイエー大宮店の店番号は0719。2024年12月21日にお買い物。

 

大宮マルイと併記してあるダイエー大宮店の1階入口。

 

直営店は地階のため、地下への階段が設けられているダイエー大宮店のゲート。

 

ダイエー大宮店の地階入口。こちらはダイエーのみのロゴ。

 

1階フロアからエスカレーターで降りると、目立たない位置に「閉店のご挨拶」。長年の屋号が失われてしまうことに想いを馳せているのか、1人また1人と何人もの買い物客がこの掲示をじっと眺めていた。

 

発表と同時に始まった売り尽くしセール。

 

衣料品や日用品の割引が始まったダイエー大宮店の売場。決して売り場としては大きくは無いが、小回りの利く商品構成だった。

 

商品によって1割引き、2割引き... なお、線香などの仏具関係はなぜか除外されていた。延長コードなどの家電製品も扱っていた。

 

食料品売り場は今のところ通常営業のようだ。しかし、大宮駅前のスーパーマーケットということもあり、いつものように大勢の買い物客で混雑していた。

 

小さいながらもダイエー大宮店の銘店コーナー。和菓子と洋菓子、ちょっとしたおつかいものに便利である。

 

地階でありながら、店内に設置されているリサイクルBOX。

 

あとひと月あまりで役目が終わるダイエー大宮店の買い物かご。いったいどんな気持ちでいるのだろう。

 

DOMビルダイエー側の上層階には様々なテナントが入居している。1階はドラッグストア、喫茶店、メガネ店など。2階はGAP大宮店など。3階は複数のクリニックと調剤薬局、そして衣料品のハニーズ。

 

4階と5階は東急ハンズから名称変更されたハンズ大宮店。その名称にまだ慣れないな。

 

6階はダイソーダイエー大宮店。300円の価格帯を中心としたワンランク上のブランド「Standard Prooducts」も展開されている。「ちょっといいのが、ずっといい。」がコンセプト。

 

7階はゲームセンターとスポーツ用品店などが営業している。