エスタ
さくら野百貨店石巻店閉店後、跡の建物に石巻市役所の入居が有力となる中、駅前の商業施設として1階フロアの活用の期待が高まり、6月28日にエスタがオープンした。さくら野撤退より2ヶ月後のことである。
長らく石巻ビブレ、そしてさくら野百貨店石巻店が営業してきた駅前の商業施設。2008年4月のさくら野撤退が決まると建物は市に譲渡され、石巻市役所の移転候補として最有力となっていた。その中で市民からは、駅前の商業施設としての機能も果たす形が要望として多くあり、建物の1階フロアを商業スペースとして活用することとなった。地元スーパーステップをキーテナントとして、多くのテナントが営業することとなり、6月より急ピッチで準備が行われ、6月28日にオープンを迎えた。スーパーをはじめ、水産加工品店やパン屋、喫茶店や花屋、衣料やフードコート等が顔を揃え、街の新しい顔として歩み始めた。
オープニングに先立ち披露された日高見太鼓の演奏。見事な演奏がエスタオープンに花を添える。
キーテナントの地元スーパーである株式会社ステップ社長の挨拶。
「石巻のあきんどとして、駅前にもう一度灯を灯したかった。」
と意気込みを語った。続く石巻市長の挨拶では駅前商業施設と市役所が融合したモデルケースとなることへの期待が述べられ、さらに石巻商工会議所会頭は挨拶で
「飽きないでこれからも来ていただきたい。今日だけじゃだめですよ!」
と市民に何度も足を運んでもらえるよう切望した。
テープカット。同時に空へ祝砲も打ち上げられ、エスタ開店を祝った。
テープカットの拍手が鳴りやむと同時に押し寄せる買い物客。テープカットした来賓の人たちはどうやって脱出したのか心配になるくらいすごい勢いで人が入り口に集まる!
次の瞬間、大混雑するエスタ入り口。進行役がマイクで押さないでゆっくりと入場するよう何度も注意を促す。先着200名に記念品が渡されたようだが、とても足りない状況に思えた。
次々と人が押し寄せ、入り口混雑は10分くらい続いた。1階フロアの店内も肩がふれるほど大盛況。スーパーのレジには長蛇の列ができ、各テナントではオープン記念の特別価格ものが振る舞われた。多くの市民に期待されたエスタがスタートした。
その後、東日本大震災を経て営業を続けてきたが、大震災時の対応費用やその後の客足の回復が図れないなど苦境が続き、2007年5月31日をもってエスタは閉店。同居していたテナントはその後も営業を続けたが、同建物の改修工事のため2018年8月までに全て閉店となった。その後2020年4月23日に、イオン石巻駅前店が開店。100円ショップ「セリア」など専門店も複数出店している。