2024年7月11日。盛岡市肴町界隈にある岩手県盛岡市中ノ橋通1丁目6−8にて、都市型商業施設が5年ぶりに始動。
盛岡市肴町界隈は、古くは盛岡バスセンターを中心とした盛岡市繁華街の一地区。かつてはこの場所に川徳デパートがあり、菜園地区に川徳が移転した後には青森県の百貨店中三が中三盛岡店として進出。中三の主軸店舗としてその業績に大きく貢献してきた。地方百貨店の苦境は全国的な傾向にありながらも、この場所は加えて特別な事情があった。
そう、2011年3月11に発災した東日本大震災。中三盛岡店も休業を余儀なくされるなか、地下フロアによるガス爆発事故。営業再開が困難になるなか、中三は全店での年商の約30%を担っていた中三盛岡店の休業により業績が急激に悪化し同月末には民亊再生法適用を申請。中三盛岡店は再開することなく撤退を余儀なくされた。建物は再生ファンドに譲渡され、Nanak(ななっく)という商業テナントビルとして2012年に開業した。しかし、業績の悪化や建物の耐震強度の問題もありNanakも2019年に閉鎖。建物は取り壊された。
肴町界隈に再びかつての賑わいを。そんな想いを胸に再生事業がスタート。中ノ橋通一丁目地区市街地再開発組合が主導し、地上4階建て地下1階のビルを建設。複合商業施設として再生を果たし、Nanak閉鎖より5年の時を経て、大型商業施設が肴町界隈に戻ってきた。
複合商業施設の名称はmonaka(モナカ)。盛岡の中心という意味が込められている。中心市街地の空洞化が進む全国の地方都市にあって、盛岡市の街への想いは今このとき、届いた。
盛岡市中心市街地の再生を具現化したmonaka。当然地元メディアが大挙して押し寄せ、様々なシーンを狙っていた。monakaの外観をカメラに収めるメディアのスタッフの姿があちこちに。
monaka開店1時間前には、既に開店を待ちわびる盛岡市民の列ができていた。侮るなかれ。1時間後にはこの列は大蛇と化す。
一番乗りを果たした男性にインタビューする岩手朝日テレビスタッフ。「人の流れが変わってくるのがやっぱり一番いいんじゃない。」と答えていた。monaka開業によって、失われつつあった人流と賑わいが取り戻されることを期待していた。
開店に先立って行われたオープニングセレモニーでは、運営するモナカの大石仁雄社長が
「10時の開店を今か今かとお待ちいただいているお客様、まことにありがとうございます。・・・みなさまの熱い想いをひしひしと感じました。・・・オープンの日を選んだこの7月11日。東日本大震災の月命日である11日を定めました。・・・基本に忠実に、大型店として営業していく。・・・肴町、河南そして、盛岡市全体として岩手、そして世界からお客さんを呼び込む。・・・みなさんから喜ばれる街になればという想いであります。」
大石社長の非常に熱のこもった挨拶に、来賓や開店待ちの大勢の買い物客から大きな拍手が巻き起こった。
来賓あいさつのトップバッターは岩手県知事の代理、佐々木淳副知事。
続いて内館茂盛岡市長のあいさつ。用意した原稿を読み上げた後に、
「みなさんで街を盛り上げていきましょう! 本日は本当にうれしいです!」
と大きな声で呼びかけていた。
盛岡商工会議所の谷村邦久会頭のあいさつ。
「加賀谷グループのご英断で肴町の再生の核となるmonakaが具現化できた。」
来賓のみなさんは開店待ちの買い物客に気を使ってか、手短ではあるが分かりやすい言葉で、盛岡の街への気持ちを込めて想いを述べていた。
テープカットとくす玉割にてmonakaオープンを盛大に祝う。ここでも大きな拍手。華々しい雰囲気の中、オープンまでのカウントダウンが10秒前から始まる。monakaスタッフ、来賓、買い物客が1つになって「10、9、8・・・」と10:00オープンまでの秒読みを声を揃えて!
スタッフと来賓に拍手で迎えられて2024年7月11日午前10:00に複合商業施設monakaが新規オープン。待ちわびた買い物客が次々とホットライン肴町に面したアーケード北口からmonaka店内に入っていく。
店内に入る長く長く続く行列。それがいったん途切れたのは10:15のことであった。
monakaオープンを記念して披露された盛岡さんさ踊り。そしてmonakaオープンを一緒に盛り上げる周辺商店。平日にも関わらず大勢の通行人。盛岡市の都市力が伺える。
monakaに併設された宝くじ売場「もなかチャンスセンター」。このにゃんこの着ぐるみ、しきりに私に向かってポーズをとっていたので、載せちゃいますよ...
名前は「夢ーたん(むーたん)」というらしい。
1階はmonaka MARCHEと呼ばれる食品フロアが主体で、様々なテナントが並ぶ。開店20分後にも関わらず既に大勢の買い物客が店内へ。みんなこの日を待ちわびていた。
地元産にこだわった野菜売り場なども数も豊富に揃っている。
総合インフォメーションを含め、各テナント「最後尾」の看板が繰り出す長蛇の列。
2階フロアに通じるmonaka赤レンガ口付近のエスカレーター。上りエスカレーターしか無いようだ。
2階フロアのメインテナントは100ショップセリアが大きく売り場を占めている。みんな買い物かごをもっていろんな品を見て回っていた。
2階フロアには、ヘアサロンやギャラリーなど。テナント未決定ブロックにはポップアップ店が営業している模様。
2階フロアには「きたひろば」など休憩スペースも設けられている。
3階フロアは健康と学びのフロア。学習塾や歯科、各クリニックなどが並んでいる。私も学習塾のスタッフに勧誘というか説明をされそうになったが、え?学び直しが必要に見えちゃったかな・・・
monakaの外では大石社長が各メディア対応に追われていた。40分くらい立ちっぱなしではなかったであろうか。
monaka赤レンガ口。ホットライン肴町アーケード入口に位置する。メインエントランスの1つになりそう。
盛岡バスセンター路上バス停前に整備されたmonakaの庇。バス待ちの際の雨除けに重宝しそう。バスポールには「ななっく前」の副題が名残通して今なお残っていた。
monakaバスセンター口。雑踏コントロールのため、monaka開業日当日は、開店時刻の10:00には入口をアーケード北口1か所のみとし、他の入口は10:15からの開放となった。
タクシー乗り場も設置されていた。monaka横丁口目の前。このときはタクシーはいなかったが・・・
1台の客待ちタクシーがmonakaタクシー乗り場へ。搬入車の行き来が激しいからか、誘導員に歩道に乗り上げるように言われていたけど大丈夫なのかな。
monaka横丁口。間口が少し広く感じる。ここからの人の出入りも多く、自動ドアも開閉を諦めたかのようにずっと開いたままだった。
monakaの裏手(みかわやしょうが館)からmonakaをみる。地階は駐車場ですでに満車。4階はオフィスフロアとなっている。
裏通りにあるmonaka生姜町口。みかわやのしょうが館も生姜町からとったのか。monakaの駐輪場もここらしい。
アーケード街であるホットライン肴町に沿ってガラス張りの店舗となっているmonaka。手芸のイズミヤは隣接店としてアーケードから直接の入口を有している。
次々とmonakaに入っていく買い物客。そしてmonaka2階テラスである「イロハテラス」で憩う人々。
1階のベーカリー「Rベイカー」は長蛇の列で、なかなか列が先に進まないようだった。人気店になりそう。
2階にはなんだか不思議なショップが。大人が腰をかがめて入る「カフェ カンティーナ & ラ バルカ 2」という雑貨屋さんらしい。
monakaには2か所にエレベーターがある。3階へ向かうにはエレベーターが便利。
2階の「イロハテラス」端にあるイタリアンレストラン「シャトン」は満席御礼。空席待ちの人たちも大勢いた。
地方都市の中心街に新たにできた大型店monaka。周辺にもその効果が波及し、活気ある街が持続するよう期待しています。またお買い物しに来なくてはね♪