急行スカイライン1周

このコンテンツは、過去に掲載されていたものを再公開に合わせて加工したものです。現在の情報ではないことにご注意ください。

 

福島市西部には吾妻山麓を南北に貫く観光有料道路、磐梯吾妻スカイラインがあり毎年大勢の観光客で賑わいます。磐梯吾妻スカイラインは高湯ゲートから土湯峠までの全長28.8kmで冬季は凄まじい積雪のため閉鎖されます。その磐梯吾妻スカイラインを走行し、福島駅西口~高湯温泉~浄土平~土湯峠~福島駅西口と結ぶ福島交通の路線バスがあります。急行スカイライン1周です。

 

急行スカイライン1周は磐梯吾妻スカイラインの開通にあわせて毎年4月中旬から11月中旬まで基本的に毎日運行されています。急行と頭につくのは福島市街地で並行する一般路線バスのバス停にほとんど停まらないためです。基本的に路線バスなので停車するバス停では乗り降り自由で乗車の際に整理券を取り、降りるときには整理券と正面の運賃表を確認して運賃を運賃箱に入れる仕組みになっています。

2000年現在のダイヤは概ね次の通りです。

福島駅西口(13:00)→高湯温泉(13:30)→不動沢橋(13:48)→浄土平(着14:10 発15:10)→土湯峠(着15:35 発15:40)→野地温泉(15:44)→土湯温泉(16:12)→福島駅西口(16:50)

サイト運営者が知っている限りでは停車する停留所は次の通りです(不正確ですので・・・)。

福島駅西口→二子塚→姥堂→信夫温泉→玉子湯→高湯温泉→高湯ゲート→白樺平→吾妻ロッジ→不動沢→浄土平→滝見台→土湯峠→鷲倉温泉→新野地温泉→野地温泉→堤ヶ平入口→ビッキ沼→土湯温泉→土湯温泉入口→畜産試験場→研修センター→荒井→佐倉→成木→陸運支局前→信夫橋→あづま陸橋→福島駅西口

このうち高湯温泉までと土湯温泉からは一般のバス路線と重複しています。それ以外のバス停は一応他の急行路線バス(急行スカイライン経由磐梯高原など)が停車しますが本数はかなり少ないので浄土平以外での途中下車は乗り継ぎをしっかりと調べてからの方が良いでしょう。

福島駅西口から1周する場合の運賃は大人一人2820円です。なお、運行期間・ダイヤ・運賃等は今後変更になる可能性もあるのでご注意ください。

路線バスとはいえ、観光目的の路線なのでバスガイドは乗っていませんがテープにより随所で名所の案内が車内に流れます。また、名所にまつわる物語等の紹介もありスカイラインの観光に適している路線バスといえるでしょう。なにより、気軽に乗れるのが良いですね。

 

急行スカイライン1周は福島駅西口の1番乗り場から発車する。1番乗り場からは他に定期観光バスや急行スカイライン経由磐梯高原などのバスも発車する。この日は発車15分前にはバスが乗り場に到着してお客さんを待っていた。

 

乗り降りとも前扉からとなる。基本的に乗車の際整理券を取って降りるときに運賃を払うのだが、福島駅西口から乗車の際はあらかじめ西口にある福島交通の窓口で乗車券を購入する方が便利。

 

後方に見えるのがJR福島駅西口。新幹線ホームからは吾妻連邦が望める。時期によってはっ乗客0のまま出発なんてこともあるようだがこの日は観光シーズンだけあって結構乗客が乗り込んだ。さぁ、スカイラインに向けて出発!!

 

13:00、福島駅西口を発車。イトーヨーカドー福島店の正面を通り通称高湯街道へ。

 

福島西道路との交差点。最近国道115号~国道13号まで通じた西道路沿いには大型店がひしめき合い急速に開けてきた。画像右手にはテレビユー福島がある。

 

市街地を抜け沿道には果物畑が広がってきた。福島市は果物の産地で特にもも、なし、りんご、ぶどうなどは全国有数の産地になっている。画像はフルーツラインとの交差点。福島でいうフルーツラインは道路のことで山形県のJR左沢線のことではない。

 

フルーツラインをすぎるとだんだんと山を登ることになる。画像は上姥堂バス停でここで路線バスの半分が折り返す。このまま高湯温泉に向かうバスは1日平日5本で数少ない。高湯温泉に行くのにこの急行スカイライン1周を利用する人もいる。

 

上姥堂を過ぎると高湯温泉まで山間部を進む。カーブが多いので注意。カーブが多いことからこの辺りではローリング族(いわゆる暴走行為をする輩)が多発し県警では取り締まりに頭を痛めていたが、画像に写っているような路面の黄色い帯と強力な取り締まりの結果、最近はいなくなったという。この黄色い帯にはどんな効果があるのだろう?

 

玉子湯に到着。高湯温泉は源泉に硫黄が含まれているので外には硫黄のにおいがたちこめている。

 

高湯温泉街を走る。画像は高湯温泉バス停。路線バス高湯温泉行きは次のハイランド前で折り返す。ハイランド前は磐梯吾妻スカイラインの入口高湯ゲートの手前になる。

 

高湯ゲート。ここから磐梯吾妻スカイラインに入る。ちなみに普通車の通行料金は1570円。

 

高湯ゲートを過ぎるとさわやかなスカイラインを走行。どんどんどんどん登ります。

 

吾妻ロッジを通過。夏といえどもここまでくると涼しい。・・・なんだか霧が出てきたゾ。

 

白樺の林のなかを走る。白樺は非常に燃えやすい木で登山者がたいまつなどによく用いるらしいが、山火事になったら大変大変。たばこのポイ捨てなどは絶対に止めましょう!

 

ここが有名な不動沢橋。スカイライン建設の際、難工事を経て完成したが近年の橋の老朽化や観光バスの大型化に伴い最近新しい橋が架けられた。この橋から福島市が一望できるが・・・。

 

霧のため全く視界が開けず!!ここからの景色は吾妻八景のひとつと言われ絶景らしいですよ~。皆様、ぜひ急行スカイライン1周にご乗車になってお確かめください!霧のない日に!!

 

バスはどんどん進む。前方には吾妻小富士が見えてきた。

 

山の下の方には雲のように霧がかかっており、まさに天に昇るような光景。まさにスカイライン。

 

植物がなくなり岩肌が目立つ地帯になってきた。いままでの森林地帯とはうって変わって荒々しい光景。

 

このあたりは火山性ガスがたちこめており植物が育てなくなっている。危険なので窓を閉めましょう。スカイラインでは火山性ガスによる中毒事故も最近起きているのでこのあたりで車から降りるのは絶対に止めましょう。まもなく浄土平に到着。

 

バス停「浄土平」。

 

浄土平駐車場に到着。ここにはレストハウス、ビジターセンターなどがあり浄土平観光の拠点となっている。

 

浄土平バス停に到着した急行スカイライン1周。急行スカイライン1周はここでおよそ1時間停車する。その間、バスから降りて休憩や散策ができるのでうれしきこと限りなし♪

 

バスから次々と乗客が降りてくる。高地だけあって涼しいので子供たちも大喜び♪ このバス停から他のバスに乗り換えることも可能で、うまく計画を立てるとかなりの時間浄土平で費やすこともできる。

 

浄土平駐車場は吾妻小富士火口への拠点。駐車場入口のそばに登り口がある。火口までは10分だが時間には余裕を持った方がよい。なお、坂が急で滑りやすい所もあるので靴はなるべく運動しやすいものを用意した方が無難。また、階段があるが途中で高レベルのアスレチックと化している箇所があるので道を選んで(場合によっては階段横を階段を手すり代わりにして)進もう。

 

やって来ました吾妻小富士火口!火口の中も草が生えていてなんだか幻想的な気分になる。火口の周りは1周30分ほどかかって歩くことができる。

 

火口から見下ろした浄土平駐車場。とっっっっっってもさわやかだーーーーー♪♪♪ なお、ここまで登ってくると分かるが降りるのはもっと大変なので、少し休憩してから余裕を持って降りた方がよい。

 

火口に咲く花。

 

浄土平バス停に会津バス見参!左は福島駅西口を急行スカイライン1周の10分後、13:10に発車して後ろを追いかけてきた急行スカイライン経由磐梯高原。このバスは浄土平停車が約30分なので吾妻小富士火口に登るには厳しい。急行スカイライン1周より先に浄土平を出発して土湯峠・磐梯高原へ向かう。つまりここで急行バスが急行バスに追い抜かれることになる。真ん中は会津若松駅からやって来た定期観光バス磐梯スカイライン号。このバスはこの後、高湯温泉・福島駅・磐梯熱海温泉・猪苗代湖長浜・会津若松駅と進む。

 

浄土平駐車場近くにある浄土平天文台。高地だけあって空はかなり澄んでおり絶好の立地条件である。

 

2台で攻めてきた会津バスに負けじと郡山駅からやって来た福島交通の定期観光バスばんだい号が到着!このバスはこの後、高湯温泉・福島駅・郡山駅・磐梯熱海と進む。

 

いよいよ浄土平駐車場を出発して土湯峠へ。ここから先も見所がいっぱい!!

 

いままでとは違って道の両脇には鮮やかな緑の林が並んでいる。荒々しい光景からうって変わって静寂な光景。

 

潮見峠に到着。ここから猪苗代湖・秋元湖・小野川湖・檜原湖がいっぺんに見られるためこの名が付いたが・・・霧で見えず!残念!ちなみに正面には磐梯山が見えるはずだがこの磐梯山、最近臨時火山情報が出ており注意深く観測が続けられている。老いたる山といえども油断は禁物。余計なことかもしれないが火山の予知って現段階でも結構難しいのですよ。有珠山のケースは統計的に最も分かりやすい部類ですので・・・。

 

滝見台に到着。ここから幕滝が見える・・・らしいがこのときは水量が少なくあまり目立たない。多分画像中央よりやや右下に見えているのだと思うが・・・。

 

土湯峠側のスカイラインの入口、土湯ゲートに到着。スカイラインをこれで完全走破!

 

ゲートを過ぎるとすぐ土湯峠バス停。磐梯高原から来た急行スカイライン経由福島駅西口行きバスが土湯峠バス停に停まっている。このバスはこれからスカイラインに入り浄土平・高湯温泉・福島駅西口へと向かう。正面左は土湯峠ドライブイン。土湯峠は凄まじい豪雪地帯のため冬は通行止めになる。

 

土湯峠を出発して旧国道115号線を通り鷲倉温泉へ。土湯トンネル開通以前は福島から猪苗代に抜けるには土湯峠の険しい道を通らねばならなかった。

 

新野地温泉バス停。霧凄すぎ。ここからは乗降客が結構いる。

 

新野地温泉。このあたりは一軒家の温泉宿が点在しそれぞれ泉質の違う温泉がわき出ている。豪雪地帯のため冬は休業する宿もある。

 

野地温泉バス停。あいかわらず霧だらけ。まさに秘境といった感じ。

 

新国道115号線へ。かなり整備が進んでおり長いトンネルが続く。

 

長い橋も連続する。だんだんと見晴らしが良くなり福島市内が一望できる・・・霧がなければ。

 

一旦道幅が狭くなりカラ松林へ。ここで車内では北原白秋のカラ松の詩が紹介される。とても趣深い。

 

右手にはビッキ沼。ビッキとはここの言葉で蛙のことらしい。蛙はこの沼で卵を生み、おたまじゃくしはこの沼で過ごし、やがて蛙となって沼から出て、産卵のため再びここへ戻ってくるという。

 

一旦国道115号線から外れて土湯温泉に寄る。聖徳太子の命で大穴貴命が陸奥の国へ赴くとき、荒川のほとりを鉾で突いたら湯が沸き出したという。突き湯が土湯と呼ばれるようになったらしい。土湯温泉はこけしの里としても有名。

 

土湯温泉バス停に到着。以前ここには土湯温泉駅といって福島交通の車庫があったが、いつの間にやらその場所は福島市役所土湯支所に変わっておりバス停だけになってしまっていた。

 

土湯温泉街をぐるっと1周していざ福島駅へ。飯坂温泉は東北最大の華やかな温泉街なのに対して土湯温泉は山に囲まれた温泉の里といった感じ。路線バスも日中でも1時間に1本程度運行されており交通の便は比較的良い。

 

国道115号線に戻り山を下りる。畜産試験場付近で謎のバスとすれ違う。畜産試験場の敷地は広い。付近には水林公園が荒川沿いに整備されておりレジャーにはもってこい。

 

再びフルーツラインを横断。ここからは住宅地が広がってくる。前述したが土湯温泉からは一般バス路線と並行するため急行としての役割をもつが、この日は土湯温泉から成木まで乗車したお客さんがいた。

 

そして旧道に入り福島西道路交差点。南北ともに国道4号線までの早期延長が求められる。特に国道13号線側の渋滞はひどいので。

 

路線バス佐原行きとすれ違う。このバスはあづま運動公園に乗り入れ荒川発電所まで向かう。ここまで来ると福島駅はもうすぐ。

 

およそ4時間の旅を終え、再び福島駅西口バスターミナルへ。福島の路線バスはほとんどが福島駅東口から発着するが、福島駅西口に乗り入れる路線は高湯温泉・上姥堂・長畑循環(高湯街道先回り)・土船・由添団地・宮下町経由競馬場・西道路経由大笹生・大町(各方面からの福島行きのバス)の各路線。このうち宮下町経由競馬場・大町は福島駅東口には寄らずあづま陸橋を通るので注意。2000年10月1日の福島交通のダイヤ改正で高湯温泉・上姥堂・長畑循環(高湯街道先回り)・土船・西道路経由大笹生は福島駅東口にも寄ることになった。また、長畑循環(庭坂街道先回り)は福島駅西口には寄らなくなった。

 

福島駅西口1番乗り場に到着した急行スカイライン1周。霧がかかっているように見えるがこれはサイト運営者が霧をここまで持ち込んだわけではなく、車内と外の温度差のためデジタルカメラのレンズがくもってしまったことによるもの。この日は乗客は土湯峠~土湯温泉まででほとんど降りたので福島駅西口までは3名の乗車だった。

 

おつかれさまーーー。