函館市梁川町界隈には西武函館店とテーオーデパートの2つの大型店があり、函館市中心街の1つでした。西武函館店が2003年8月10日に閉店し、地区唯一の大型店として営業してきましたが、コロナ禍や主力であった衣料品の販売不振が続き、テーオーデパートも2023年8月31日に、その歴史に幕を閉じることになりました。
2006年9月のテーオーデパートの姿。デパートに相応しい塔屋がある。
2006年9月のテーオーデパートの姿。五稜郭地区から西へ徒歩10分だが、バス停にして1つ。
2023年7月のテーオーデパートの姿。かつての塔屋は撤去されていた。テーオーデパートの開業は1962年。61年目にしてその歴史に終止符を打つ。
1962年の開業当時はクレジットデパートテーオーという名称で、当時としては珍しいクレジットポイントサービス「テーオーカード」を用いた営業スタイル。売上高は1980年代ら90年代にかけてが最盛期だったという。2018年5月期の売上高は19.8億円。黒字転換を目指すべくリニューアルとテナント誘致を進めたが、構想どおりに事は運ばなかったという。
テーオーデパート正面入り口。目の前に「テーオーデパート前」のバス停や、タクシーが待機している姿がある。
テーオーデパート閉店を知らせる張り紙が、店舗入り口に掲げられていた。
西側入り口にも閉店セールの張り紙がびっしり。
西側入り口を入ると、生鮮食料品などを扱ったスーパーマーケットのコーナーが。テーオーデパートは近隣住民の生活必需品を揃える重要な商業拠点でもあった。
テーオーデパートの象徴ともいえる1階時計台の待ち合いスペース。ここで憩いの時間を過ごせるのもあとわずか・・・
各フロアでも大々的に閉店セールを実施中。割引率も大きく設定されていた。
閉店、閉店、閉店...平日日中の来店だったためか、買い物客は少なめ。
有力テナントのSHOO・LA・RUEも閉店セールを実施。商品棚や売り場に空きスペースが目立つようになっていた。2006年訪問時には文教堂(書店)が営業していたが、文教堂は2020年8月5日で閉店になっていた。また、4階スペースではテーオーデパートの開店当時からのチラシが年代ごとに掲示され、61年の歴史をチラシの風貌で振り返ることができるようになっていた。