2020年5月26日(火)、中合は福島市の中合福島店を2020年8月31日で閉店すると発表しました。駅前再開発に伴う建物賃借期間満了を理由にしているが、中合福島店の売り上げはピーク時の1992年度の200億円から2019年度には60億円と大幅に減少していました。再開発ビルへの入居も検討されましたが、工事期間中の休業や仮店舗等の問題もあり、採算がとれないと判断されました。営業終了については、昨年8月頃から内部で時期などを含め検討されていたそうです。営業終了後、中合は会社の清算手続きに入り、福島市の老舗百貨店は名実ともに姿を消すことになります。
8月末での営業終了が発表された翌日の5月27日(水)、中合開店前の駅前通り。コロナ禍の影響もあってか、人通りはまばらであった。
中合の営業終了を知らせる掲示。店舗入り口に5月26日午後に掲示されたという。
今でも1番館というのか、中合福島店の開店前の正面入り口。開店を待っている買い物客にお茶を振る舞う時期もあった。現在はおそらくコロナ禍のため自粛されている。
開店5分前にはすでに10人ほどの買い物客の姿があった。それでも、一時期と比べるとかなり少ない印象だった。ある買い物客は居合わせた記者の取材に開口一番「寂しい」と嘆いていた。
開店を待つ買い物客を前に、中合の商品券や中合友の会についての説明をしている中合の店員さんの姿があった。「8月31日の閉店となり、多大なご迷惑をおかけいたしますが、閉店までの間誠心誠意対応していきますので、引き続きご愛顧のほどよろしくお願いいたします。」
午前10時の開店とともに、それぞれの思いを胸に中合店内へと入っていく買い物客。福島駅前最後の砦とも言われた福島市の老舗百貨店である中合の営業終了の決定は、福島駅前の再活性化に大きな暗雲となってのしかかってくることになるだろう。
ホテル辰巳屋の閉館後、中合地下歩道口の掲示が辰巳屋から「この街と人が好きだから」の中合キャッチフレーズに変わっている。なお、裏技的に中合各階をつないでいた辰巳屋エレベーターは、現在は使用できなくなっている。
地下歩道から出た中合構内にも、階段から地下食品売場へ繋がる中合入口がある。が、1日何人使うんだろう?この入口。
福島駅前の新緑の街路樹の向こうにそびえ立つ中合福島店。2020年6月2日(火)に訪れた時には、店内に既に「中合は、8月31日(月)をもちまして営業を終了いたします。 中合 ご愛顧感謝セール」の掲示があちこちに掲げられていた。