中合はダイエー系列の百貨店で本社は福島市に置かれています。中合のルーツは福島店ですが、もともとは東京にも店舗を展開していて本社(登記上の本社所在地)も東京にありました。昭和40年代には県境を超えて米沢市への出店計画もありましたが、大沼デパートとの競合により幻となりました。昭和48年10月1日に大町にあった店舗を栄町の辰巳屋ビルに移転し駅前進出の新装オープン。旧店舗は昭和49年6月に中合大町支店として営業再開、その後大町パルクと店名を変更するも、昭和59年に大町パルクとともに東京店も閉店してしまいました。平成5年に会津中合と、平成6年には清水屋と対等合併して3店体制で営業を続けてきました。
平成14年3月19日、親会社のダイエーとともに産業再生機構の支援を受けることが決定。営業は通常通り継続されており、中合幹部も「中期的には単体でもやっていける」とコメントしています。一時、ダイエーからの売却も検討されましたが、スポンサー候補が一部店舗閉鎖を提案したことなどから条件が折り合わず、引き続きダイエーが親会社として経営を担うこととなりました。
平成17年にはダイエー百貨店子会社再編に伴い、中合を存続会社として同じダイエー系列の百貨店子会社「アドバンスド・デパートメントストアーズオブジャパン(ADS)」と合併する一方、百貨店事業から撤退する十字屋より、十字屋山形店の営業譲渡を受けました。平成17年12月1日より中合は福島店/会津店/清水屋店に加え、三春屋店/棒二森屋店/十字屋山形店の6店体制となりました。新生中合を記念して、各店では「誕生祭」記念セールを実施し、他店舗所在地の名産品などを販売してPRしていました。
6店とも長年地域で親しまれてきた従来からの屋号(店名)を維持し、各都市を代表する百貨店として君臨していましたが、中合会津店は2010年2月末で閉店。同年、一般株主(345人いたそうです)が保有している株式全てとダイエーの保有する株式の一部を買い上げてダイエーの完全子会社となり、財務体質が強化されました。その後、清水屋店での営業も2012年2月末にて撤退(店舗自体はマリーン5清水屋として存続)し、福島県に1店、山形県に1店、青森県に1店、北海道に1店の計4店体制となりました。
近年に入り、中合福島店は二番館を2017年8月31日に閉館し、1棟体制での営業に売り場面積を縮小。十字屋山形店も2018年1月31日で閉店し、函館市の棒二森屋店も2019年1月末で閉店、八戸市の三春屋店も売却されるなど営業規模の大幅な縮小が相次ぎ、苦境が続いています。2020年5月15日時点で中合として現存しているのは、「中合福島店」「中合サテライトショップ会津」「棒二森屋函館空港店」です。このうち、棒二森屋函館空港売店は2020年6月30日に、中合サテライトショップ会津は2020年7月31日のそれぞれ営業終了しました。
なお、福島店が入居する辰巳屋ビルについても、土地および建物が周辺の不動産を所有するグループに買収されており、周辺と一体的な再開発構想が持ち上がっています。中合福島店は建物の賃借契約満了伴い、2020年8月31日に閉店しました。中合福島店閉店後、会社は清算され、中合は名実ともに消えることになります。
法人としての中合は、2024年8月現在でまだ存続しております。これは会社清算に加え、最後に残った店舗「函館駅前ビル」(中合の売場は無くテナントビル)の運営を行っていたためです。中合事務所(本社所在地)は中合福島店閉店後、近傍の佐平ビル9階に移転し業務を続けていましたが、2021年6月28日に東京の東陽町に移転しています。