中合サテライトショップ会津

2020年7月31日、中合サテライトショップ会津は最後の営業日を迎えた。

 

会津ロイヤルプラザ入口に掲示された中合サテライトショップ会津の営業時間の案内。本日、営業の最終日である。

 

夕方、17時過ぎになっても中合サテライトショップ会津に出入りする買い物客の姿があった。思い出に中合での最後の買い物をするのだろうか。

 

やわらかい夕陽を浴びる中合サテライトショップが入る会津ロイヤルプラザ。先程まで何日も続いた雨模様が嘘のように、静かにその時を迎えようとしていた。

 

会津ロイヤルプラザ入口フロアには、大々的に中合サテライトショップ会津の掲示がオープン以来掲げられていた。華々しくオープンしたのは7年前の10月。

 

エスカレーターを上がったスペースに、最後まで設けられていた婦人服特設スペース。中合ご愛顧感謝セール、本日最終日。買い物を終えた買い物客が改めてこの婦人服を品定めしている姿が目立った。

 

中合サテライトショップ会津のフロアマップと取扱商品の案内。そして契約駐車場の案内。ご愛顧感謝セールの間は売場が機動的に変えられ、営業最終日には奥フロアがワゴンで閉鎖されていて残った商品を売場前方で陳列していた。

 

売場入口には営業終了日までのカウントダウン「1」。ついにこの日がやってきた。中合会津営業所時代を含め絶やさず続けてきた学生服販売は、別の業者に引き継いだようだ。

 

閉店まで残り15分。最後の名残を惜しむ買い物客がレジに並んでいた。女性客だけでなく男性客の姿も多い。みんな会津の中合のファンなのだ。残った商品は、せともの、銘菓の一部、婦人服、紳士ワイシャツ、水筒お弁当箱類、ギフト解体もの、和モダン時計、タオルハンカチ類、などなど...。

 

17:58、最後の買い物客がレジで精算中。名残を惜しむように、最後に残ったギフトの解体販売もの2つをそれぞれ買い求めていた。

 

そして、時計の針は18:00を回った。中合サテライトショップ会津の最後の姿を見ようと、買い物客3人、中合への卸業者と思われる人1人、福島民報と福島民友の記者が1人ずつ、そして3Fのテナントであるボウリング場の店員2人が集まっていた。(自分はカウントしていない)

 

売場にシャッターの柱が取り付けられ始めた。毎日の営業終了時に通常に見られる光景であるが、これも今日が最後である。

 

ほとんどのシャッターが閉められた後、中合サテライトショップの店員がシャッターの外に並び始めた。

 

中合サテライトショップ会津、営業終了の挨拶がはじまった。

「昭和36年に若松デパートとして開業して以来59年間、会津中合、中合会津店、そして中合サテライトショップ会津と、百貨店の血を脈々と受け継いで参りましたが、諸般のやむにやまれぬ事情により、本日をもって営業終了とさせていただきます。本日までのご愛顧、誠にありがとうございました。これまで会津の中合を支えていただいた地域の皆様に厚く御礼申し上げます。」

あくまでデパートの最後らしい、立派な挨拶であった。

 

挨拶が終わり、店員が一礼する。フロアからは

「今までよくがんばったーっ!」

との声援が飛んだ。ここに、会津地方唯一の百貨店、中合サテライトショップは静かにその幕を降ろした。

 

最後の片付けをする中合サテライトショップの店員たち。最後まで残ったなじみの買い物客に、エスカレータまで行って手を振り声を掛け合い、別れを惜しむ姿もあった。

 

お店の最後のシャッターが降ろされ、その灯火を消した中合サテライトショップ会津。

 

まだまだ新しいNAKAGOのロゴ、もうこのシャッターが店舗として開くことはない。

 

午後6時で閉店の案内。これが営業中に裏返ることももうない。

 

会津ロイヤルプラザのテナント案内にある中合サテライトショップ会津。近いうちに取り外されることになるだろう。

 

まだ会津若松の外には日の光が残っていて明るい。こうして中合は、青曲線が特徴の買い物袋とともに会津から旅立っていった。さようなら会津...