2017年8月31日、中合福島店2番館は営業最終日を迎えた。
一番館(右)と二番館(左)を結ぶNロード。ビル間をつなぐこの通路を行き交う買い物客の姿も今日限り。駅前通のアーケードは撤去され、通りがすっきりした印象だが、中合二番館閉館によりむしろ一層寂しく感じさせれる。
中合の177のテナントのうち、一番館の約120のテナントと二番館の約30のテナントを一番館に集約する。既に店内ではテナントの移動作業が始まっており、移動のため空きスペースになった売場や、営業時間中も棚や売り物を移動する光景が見られた。9月以降は仮売場という形で、一番館で順次営業再開する。
二番館のショーウィンドウは既に空の状態。特に1階の婦人靴やかばん等の売場に買い物客が多く押し寄せ、空になった棚が目立った。一番館や二番館では、閉店となるテナントそれぞれに看板が立ち、営業終了を告げていた。8月31日を待たずに閉鎖された売場もあった。
Nロードから見下ろす福島市の街の一角の光景ももう見ることができなくなる。冒頭の画像のように両ビルをつなぐ通路として建設されたが、お互いのフロアの高さが違うためNロードには傾斜があった。その傾斜に対応した休憩イスや、時には売場として機能することもあったNロード。今までお疲れ様。
一番館に掲示された「二番館閉館に伴う売り尽くしセール」。18時過ぎには”二番館閉館に伴う”の部分の上にシールが貼られ、「売場リニューアルに伴う売り尽くしセール」になっていた。
閉館まで1時間を切り、最後の影響を続ける中合二番館。通常は地下食品売り場は20時まで延長営業されるが、本日は一番館とともに19時30分で営業を終える。空になったショーウィンドウも光を放ち、買い物客が歩く駅前通を明るく照らしている。二番館地下では19時30分が迫っても大勢の買い物客がほとんど空になった食品売場に立ち寄り、残った商品に「半額」のシールを店員に1つ1つ貼ってもらってレジに並んでいた。
二番館のツイン広場側出口では、閉店時間近くになると店員が並び、店を出る買い物客に感謝のメッセージが書かれたガーベラの花とお菓子を配っていた。「ありがとうございました。」と声をかけていたが、こちらこそ中合ありがとうだな。
二番館地下食品売り場が盛況につき、最後の買い物客が店を後にしたのは19時50分頃になっていた。福島店店長が最後まで店の外に残っていた買い物客に対して、19年間の感謝の言葉と、一番館でこれまで以上に期待に応える店を目指す決意を語り、9月に営業しながら順次売場を整備し、10月にリニューアルオープンをする計画を話した。
大勢の人達が二番館の最後を見届けようと残っていた。「中合が小さくなって本当に寂しい」と話をする声も聞こえてきた。主婦や会社帰りの人たち、多くの高校生まで集まり、中合二番館の最後を拍手で見送った。
店員が二番館の中に戻り、一礼をする。報道陣のフラッシュや、大勢の人達のカメラが向けられ、ついに閉館する中合二番館。
シャッターがゆっくり閉まり、中合二番館からの光も消えていく。ここに山田百貨店から44年、中合二番館開店から19年に渡るデパートの歴史に幕を閉じた。
シャッターが閉じられ、店員が扉の施錠を始めた中合二番館。福島市は雨の予報だったが、夕方までは時折晴れ間ものぞく天気だった。しかし中合二番館閉館の時間には大きな雨のしずくが天から落ちてきた。
中合二番館の閉店後、最後に見届ける人々。そして、中合二番館の思い出にマイクを向ける報道陣の姿。