中合福島店はJR福島駅東口の正面、駅前通り沿いにあります。いわゆる、中合本店です。前身は大仏城の城下町である荒町で創業した呉服屋で、平成12年には創業170周年をうたってセールを行いました。百貨店としての創業は昭和10年となります。もとは県庁近くの大町、平和通り沿いの建物で営業していましたが、駅前の辰巳屋ビルの完成後、昭和47年に駅前通りの現在地栄町に移転しました。大町のビルはその後、大町パルクとして営業していましたが昭和59年に閉店しています。隣の平和ビルには山田百貨店(平成5年に福島ビブレに名称変更)が入居しており、ともに福島市を代表する百貨店として営業してきました。ところが、平成10年3月に福島ビブレが福島交通飯坂線曽根田駅前に移転することになり、平和ビルの空きビル化を懸念する福島市の商業界の要請に応えて、福島ビブレ移転後に増床する形で入居して経営を拡大しました。もとの中合福島店を一番館(辰巳屋ビル)、増床した店舗を二番館(平和ビル)として2館営業体制、当時としては東北最大の売場面積の百貨店となっていましたが、中合二番館は2017年8月31日で閉館。テナントを一番館に集約して営業を続けています。
福島駅東口の駅前広場から見た中合福島店。一番館が入居している辰巳屋ビルの上層部はホテル辰巳屋となっている。正面の横断歩道は歩車分離式に変えられており、歩行者信号や横断歩道も斜め横断対応となり、半スクランブル交差点のようになっている。店舗正面にはももりんビジョンがあり、カルチャー情報などを発信している。ちなみに、このビジョンは一時期運営母体が消息不明になったことがあり、同じコンテンツが延々とだだ流しされている時期があったが、現在は正常化されている。
画像右手が一番館のツイン広場側入り口。中合正面入り口はここになる。売場構成は地下に食品銘店、1Fに化粧品、2Fから4Fに婦人服や婦人靴、5Fが紳士服と寝具と宝飾品、6Fに子ども服と食器、めがねなど。2番館閉館時に書店は撤退し、玩具売場も無くなってしまい、子どもを含んだ家族連れには買い物を楽しめる場所が少なくなってしまった。それでも、百貨店ならではの品揃えは健在し、毎週のチラシを楽しみにしたり、仕事帰りにふらっと寄ってスイーツを買ったりするのに変わりはない。
画像左手に見えるのがかつての中合2番館であった平和ビルで解体が決まっている。2館体制時には両館を結ぶ連絡通路(Nロード)があった。
駅前地下歩道から直接中合へ入店できる。中合1番館地下1Fの銘店街へ直結。ホテル辰巳屋と共通の入り口ともなっており、入って右が中合地下食品売場、右手はホテル辰巳屋エレベーターとなっている。ちなみに、辰巳屋エレベーターも中合各階に止まるので、中合内の移動にも使えるのだ。
中合南口。あづま陸橋下の歩道橋から中合1番館2Fに入ることができる。こちらにもコインロッカーも設置されている。
中合には、一番館売場に2機と一番館の売り場に直結している辰巳屋エレベータ(B1Fから7Fおよび8F辰巳屋レストラン)の合計3機のエレベータがある。一番館のエレベータは、2011年3月の震災前までは片方にエレベーターガールが乗務していた(かつては、2機両方に乗務していた)。昔は、屋上まで運行されミニ遊園地で遊べたものだが、現在は屋上(R)ボタンは無効化されている。
中合一番館には、中央赤階段(B1Fから7F、階段自体は屋上まで)のほかに、売り場に隠れる形で黄色階段(1Fから7F)と緑階段(1Fから7F)がある。それぞれの中間層には催事等の案内版があるが、赤階段以外は特に掲示等はされていない。
福島駅東口のイルミネーションに彩られる中合福島店。中合福島店が入る辰巳屋ビルも再開発が決まり、ホテル辰巳屋も2019年8月31日で閉館となった。中合福島店も、2020年8月31日で閉店となる。