中合福島店二番館閉館へ

中合は2017年2月28日、平和ビルの中合二番館を8月末で閉店することを発表しました。1973年に完成した平和ビルは県の調査で現行の耐震基準を一部下回ることが判明し、ビル管理会社と今後について協議を行ってきましたが、営業を続けながらの建て替えや耐震補強工事を行う場合の期間が相当長く、その間の売上確保のメドが立たないことから、二番館での営業を終了し売場を一番館に集約することを決定しました。

中合福島店は1992年度に約200億円の売上を記録しました。平和ビルから山田百貨店→福島ビブレが撤退後、1998年に中合二番館を増床し、二館体制で19年間営業を続けたものの、2015年度は約95億円まで落ち込んでいました。中合は二番館閉館と売上との関連を否定していますが、会津店の閉店、清水屋店の営業譲渡、そして棒二森屋店の閉店検討が報道されるなど、苦境が続いています。

中合の黒崎浩一社長が「20年間続いたお店を閉めることになり、大変申し訳ない」と、声を詰まらせながら記者会見で閉館を発表しておりました。街角のインタビューでは福島市民が一様に「駅前が寂しくなる」と残念がる声が紹介されておりました。

一方、福島市の小林香市長は「一番館が残ってほっとしている(朝日新聞)」「できる範囲で支援していく(TUF)」などと呑気なコメントをしておりました。

 

二番館閉館に伴う19年間ご愛顧感謝セールが始まった中合福島店。二番館のイラストの「Thank you」の吹き出しが、なんだかもの悲しい。閉館発表の前日に さくら野仙台店の破綻がニュースとなっており、会社でもさくら野が話題にあがっていたが「それどころではない!!」。中合福島店の売場面積は26,383㎡で二番館増床当時は東北地方で最大の売場面積を誇った店舗だったが、一番館単体だと15,169㎡と6割に縮小することになる。

 

二番館だけでなく一番館もセール多数。撤退となるテナントは一番館、二番館のなかで調整中とのことだが、店内あちこちでプライスダウンの案内が。玩具50%OFFとか始まり、おもちゃ売場やサンリオコーナーは既に空き棚が目立っていた。一番館地下にあったお気に入りのヒルバレーポップコーンは5月8日に一足早く撤退。最終日にL缶買って1ヶ月かかって食べ尽くした。大丸東京店の地下銘店街にもヒルバレーあるが、「中合にあるから」と見向きもしなかったのだが...。

 

二番館の開店時に設置されたNロードを下から見てみた。改めて屈強な構造物であることが感じられたが、二番館閉館後は無用の長物となってしまうのだろうか。

 

駅前通り再開発に伴いアーケード解体中。中合二番館に入居する岩瀬書店は教科書販売を行っており、教科書販売時や中合寄席開催時は二番館7階が開放され、普段は無効化されているエレベータも7階まで運行されていた。

中合入居前の平和ビルには、山田百貨店が営業していた。エスカレータはなぜか3Fフロアにおいて乗り継ぎに微妙な空間があり、下りエスカレータ近くにはフードコートがあって、小さいころよくソフトクリームを食べさせてもらった。6Fには自動風船販売機があって、ヘリウムガス入りの風船を毎回買ってもらっていた。

この建物からデパートが消えてしまうと、そうした思い出も思い出せなくなってしまう気がする。