泉駅

泉駅は飯坂線で唯一の橋上駅です。以前は電車が留置されている側線がある地上駅でしたが、 昭和51年に改築され現在の駅舎・配線となりました。 駅前にはかつてフクコーコンビニエンスがありましたが、今は花屋になっています。 近くにはかつて東北自動車学校がありました。 岩代清水付近から街道に沿って街続きといった様相であり、 この辺りは銀行の支店なども建ち並び、北側には清水小学校もあります。

駅構内

変わらぬ佇まいの泉駅西口。 幅員の広い階段が印象深い。

泉駅東口。 住宅街の静かな光景。

橋上駅舎である泉駅構内。 上り電車の接近表示が点灯している。 乗車券自動券売機が設置されているが終日無人駅。 かつての出札窓口がそのまま残されている。

泉駅に到着した上り電車福島行き。

橋上駅舎への改築にあたって、 地元福島市の泉区(町内会に相当か)に設置された泉駅改装対策特別委員会にて何度か協議や申し入れを行った記録がある。
1975年8月27日 次の事項を決定
1.福島交通泉駅を中心として線路に側道を設けること。
2.従来の踏切廃止には絶対反対であること。
3.福島市長に陳情すること。
4.草案は(委員の1名)がその任にあたること。


同年11月21日には八幡神社社務所で福島市、 泉区区長および委員、 南沢又区長および委員、 そして福島交通による泉駅改修説明会が開催されている。 福島交通から駅改修の説明があり、 意見をとりまとめて要望事項の整理(継続検討)が行われた。
■市側に対する要望
1.複線化されるので飯坂街道から長滝道路の入口が極端に短くなるので交通渋滞が懸念されるのでそれに対する対策。
2.福島交通の路線東側に4~6メートルの道路を設け通行に便すること。
3.福島交通側と緊密な連絡をとり地元民の要望に応えること。

■福島交通に対する要望
1.老人、身体不自由者の便を考えて、平面交叉の方法を再考して欲しい。
2.陸橋でなく地下道に出来ないものかどうか。
3.跨線橋とする場合は安全を考えて、階段の大幅なゆるみをもたせる、従来横断歩道に設置されているものでなしに、全面的に天井周りなどをかこうこと。
4.市に要望した1についても同様。

同年12月3日には清水支所2階にて泉駅改修説明会が開かれている。
1.佐藤工業より買収した場所に巾4米長さ60米の、ホームを造ることの説明があり了承された。
2.但し前回の説明で申入れてある事項に対しては、市と緊密な連絡をとりながら、誠意ある回答を重ねて要望した。

同年12月18日 清水支所で福島交通との話し合いが持たれた
1.平面通行、地下道は見込みなし。
2.跨線橋とする、覆いはしない、但し凍期間の安全は確保する
3.泉学園入口から道路に連繁できるように、東側に4メートル以上の側道をつける(市と協力の上で)
4.飯坂街道より東に入る道路を各巾する(市側として努力)

記録に残っているのは以上であるが、 これと突き合わせると6ヶ月で駅の改修を終え現在の形、 橋上駅舎で全面天井覆いが完成したことになる。

沿線風景

泉駅と上松川駅にある松川橋梁。 水害による流出後、 PC桁の強固な橋梁に架け直された。

福島市立清水小学校。泉駅の北側、松川のほとりにある。住宅街にあり児童数も多い。 門扉が新しくなっている。

泉駅前にはかつて福島交通が運営する「フクコーコンビニエンス」というコンビニエンスストアがあった。 その跡の建物を利用して現在は「フラワーチェーンおおたに」が営業している。 建物の半分はラーメン店が入居した。

路線風景

泉駅を発車し、 泉駅橋上駅舎をくぐり飯坂温泉へ向かう電車。

泉駅橋上駅舎をくぐる福島行き上り電車。 岩代清水や泉の両駅周辺では、 新しい住宅が建ち始めている。

線路やポイント、 鉄道設備を点検する保安区の作業員。 こうした点検作業が、 福島交通飯坂線の安全運行に大きく寄与している。

泉駅に向かってくる飯坂温泉行き電車。 電車がいるこの地点は、 隣の岩代清水駅からのすぐの緩やかなカーブを曲がった地点。 両駅は駅間が300メートルととても近い。